本文へスキップ

神戸を中心とした地域社会に貢献するNPOビジネスアシストこうべ

SMECアイ−診断士の視点−ESSAY

これからの経営
                                中小企業診断士 甦

神様・・・

私は結婚式を湊川神社で挙げたこともあり、毎月1回、月初めの出勤前に詣でている。いつも3か所ある礼拝所の真ん中で拝むのだが、たまに長い間待たされることがある。というのは、前の方が拝み続けているからである。何をそんなにお願いするのかと思うくらい長い人がおり、5分以上待たされたこともあった。楠公さんもあれこれ頼まれても困るだろうに。私はというと2礼2拍手1礼をして頭を下げるだけなので、ものの5秒で終わってしまう。神様を拝むよりもっと大切なことがあると思うのだが・・・。

ひと頼み

 企業の経営者の中にもひと頼みの方が散見される。業績の悪いのは景気のせいで、政府や行政の支援を期待し頼り切っている。悪いのは自分ではなくて、他の誰かなのである。 

 今は金融円滑化法で金融機関もやさしいが、期限再延長に際し今年3月までの最終延長が明記されている。金融円滑化法は借入金の返済を免除するわけではなく、金融機関に返済を待ってもらっている間に自分で計画を作成し、会社を立て直し、借りた金を返済する目処をつける必要があるのであって、再生に向けた時間を猶予されたにすぎない。自分で会社の業績を立て直すしかないのである。残された時間は少ないという認識を持つ必要がある。

これからの経営

 売上さえあげていれば儲かった時代はとっくに終わっているが、頭の切り替えが出来ない経営者は多く、特に高齢の経営者に顕著である。売上のみに目線が行っており、収益を考えることはなく、しかも、どんぶり勘定で粉飾も平気である。また、いつまでも経営にしがみつき、事業を譲ろうとはしない。

 銀行も以前は、資産重視の査定を行っており、担当者から「1円でもいいから黒字にしてください」と言われた方も多いと思う。しかし、平成17年頃からキャッシュフロー重視の資産査定に軸足が移っており、現在では資産価値を時価に置き換えた実質純資産と有利子負債キャッシュフロー倍率が重視される。赤字なら理論上、借入の返済が出来ず「破綻懸念先」にランクされ、融資が受けられなくなることを経営者は強く認識すべきである。売上より儲けなのである。

どんぶり勘定でも経営できる時代は終わった。円高・原油高・原発停止による電力値上げなどが企業業績を直撃し、売上が低迷する中で民間企業はみんな乾いた雑巾を必死で絞って経費削減を行っている。これからは各部門や売り先ごとの収益をきっちり把握し、どこで儲けるかを考える時代になっている。

NPO法人 ビジネスアシストこうべ