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SMECアイ−診断士の視点−ESSAY

最近のニュースで思うこと
                                     DAHDA

(1)誤報騒動

 某主要紙の記事取り消しや謝罪が話題になっています。先ずは事実を確認して報道することが基本中の基本であり、それが出来ていなかったのなら、取り消し、謝罪は当然でしょう。取り消して済む問題ではないという議論もありますが、そのことは置いておくとして、ここでは事実を示すだけでは十分ではないということを言い添えておきたいと思います。事実の確認よりも意見が先走るのは問題ですが、論理的に考えてあり得る推論や意見を、事実とはっきり区別が付く形で示すこともジャーナリストとしては必要です。記事を書く方も読む方も、しっかり考えてから書く、読んだらしっかり考えて事実と推論、意見を区分した上で自分の考えをまとめることが大事でしょう。

(2)デング熱騒動

 事実誤認ではありませんが、先月デング熱が話題になりました。当初は感染者の数や代々木公園での蚊駆除の記事ばかりで、最近になって漸くウィルスを運んでいるのは人であり、ヒトスジシマカはデング熱感染者が居る場所で、他の人への感染を媒介しているだけであるという記事を見かけるようになりました。お役所の発表を右から左に流すだけでなく、本気でデング熱の広がりを心配するなら、全国的な蚊対策と発熱者は蚊に刺されないようにという呼びかけをすべきだったと考えるのですが、どうでしょうか。役所があてにならないのは福島第1で十分分かったのですが、今回も末端の担当者が自分の範疇で対策を立てるだけで、全体的な危機管理ができないことが露呈した騒動のように感じました。

(3)事実に基づいた本質的対策

 これらの事は会社の経営にも同じことが言えます。何か問題があれば、先ずは何が起こっているのか事実だけを並べ、原因と考えられることを様々な視点で徹底的に拾い出し、推論でしかないことは事実であるかどうかを確認するようにしなければなりません。経営者はこれが出来ているかどうかを常に目を光らせておく必要があります。これを徹底せずに議論すると対策を間違えることになります。また、対策は即効性のある対処療法だけでなく、本質的な原因を排除する対策を長期的な視点で同時に行うことが経営者には求められます。事実はどこにあるのか、事の本質は何かということを常に意識し、考えながら仕事を行うことで、事実を見分ける目と本質を見抜く目を養うことをお勧めします。


NPO法人 ビジネスアシストこうべ