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神戸を中心とした地域社会に貢献するNPOビジネスアシストこうべ

SMECアイ−診断士の視点−ESSAY

補助金申請支援業務について思うこと
                                     WEB担当

担当するまでの思い

 NPO法人ビジネスアシストこうべでこれまで経験させていただいた中小企業診断士としての仕事の一つに、国や地方公共団体が行っている各種補助金を獲得するにあたって、その申請書類を作成する支援業務があります。私自身が担当させていただいたのはいわゆる「ものづくり補助金」と兵庫県が募集していた「じばさんひょうごブランド創出支援事業(補助金)」などです。実際に担当させていただくまでは、補助金申請業務について「経営相談や経営支援業務と比べて、ただお金をいただくための業務なんて・・・」と少し低く見ていたり、腰が引けている部分が自分の中にありました。しかし、体験する中でその思いは変わっていきました。
 
申請支援業務の中での発見

 補助金申請支援業務を実際に担当させていただく中で、まず感じたことは、よく知らない業界のことを知ることができるという知識欲の充足、こんな風になっているのかという発見の喜びを得ることができるということです。私自身は長らく流通業界に所属する企業に勤めておりましたので、そこについてはある程度の経験と知識を持っています。
 しかし、補助金申請業務で担当させていただいたのは鋼材業と繊維業でした。例えば、鋼材業では、建設需要との密接な関係があり、東日本大震災後は耐震補強需要が堅調であったこと、東京オリンピックに向けて期待ができることなど、そして、鉄骨材の加工には具体的にどのような課題があり、それに対応する加工機にはどのようなものがあるのか(グラインダーや溶接機など)を工場の現場で知ることができました。
 また、繊維業では繊維の材料に化学繊維と自然繊維があり、それをより合わせることで様々な機能を付加することができること、そのために日夜研究を重ねられていること、そして、職布・染色・糊付・仕上加工など様々な専門会社との連携で最終の衣料品に仕上げられていることを知ることができました。
 いずれも、現在ご苦労されている現場の方に、未知の世界を教えていただく貴重な体験をさせていただきました。

補助金申請に取り組みことは経営計画を作成すること

 補助金申請書類の中には、具体的に自社の置かれた状況を記述し、そのためにどのような課題を設定していて、どう取り組もうとしているのかを説明する項目があります。公の資金をいただくわけですから、審査を受けて認められる必要があり、そのような項目が設けられています。しかしこれは取りも直さず、自社の現状を確かめ、これからの進路を描くこと、すなわち経営計画を作成することと同じであることに、実際に担当させていただく中で気が付きました。
 補助金を獲得するために作成する書類ですが、それを作成することで、自社の事業計画を再考することになる、当然、そこに盛り込む資料や言葉には重みをもたせなければなりませんから、作成支援をさせていただく私も一生懸命、理解し、文書に表現しようとしますし、そこに経営者の方の熱量も加わっていく、申請書類作成支援業務の中でそのような経験をさせていただきました。
 申請書類を完成させるだけでも、もちろん感謝の言葉をいただくことができましたし、まして、認証を獲得できた時には、経営者の方と喜び合い、私も大きな達成感をえることができました。

コロナ危機の中で

 私自身の補助金申請業務での獲得率は1勝2敗、まだまだの勝率ですが、ビジネスアシストこうべの仲間には見事「ものづくり補助金」を獲得したメンバーもおりますし。その他の補助金や、小規模事業者持続化補助金を獲得したメンバーも在籍しています。
 折しも、新型コロナウイルスの影響下で、政府も様々な支援を行っており、その中で各種補助金も提示されております。苦境にある中小企業者のみなさまを、補助金申請業務でもご支援させていただければ幸いです。



NPO法人 ビジネスアシストこうべ