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神戸を中心とした地域社会に貢献するNPOビジネスアシストこうべ

SMECアイ−診断士の視点−ESSAY

人は人に寄付をする
                                    KO

筆まめな人

 筆不精です。学生時代は友達から手紙をもらっても返事をかかないものだから、そのうち連絡が途絶えて、ということがよくありました。そんな私も今では、1度会っただけの人から遠い昔の友人まで様々な人とつながっています。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)は便利です。ただし、SNSがあるからといって私の筆不精が治るわけではなく、筆まめな人の発信を眺めて「へえ〜こんな問題があるんだ」「また新しいことにチャレンジをしているなあ」とただ感心しています。特に、社会課題の解決に取り組む人たちの発信には心揺さぶられるものがあります。

新しい資金調達?

 社会課題の解決に取り組む人の発信をみていると、「この事業はどうやって成り立っているのだろう」と思うことがあります。「small is beautiful(小さいことはすばらしい)」では社会課題の解決には至らないわけで。そのような場合に「寄付」という資金調達の手段があり、ノウハウの蓄積が行われていると知りました。事業収入で収支を保つことも大事ですが、社会課題の解決を目指しスケールアウトが必要ならば、「寄付」も資金調達の一つということでしょうか。「寄付」といえば「街頭募金」や「足ながおじさん」をイメージしがちですが、「クラウドファンディング」にあふれるチャレンジは「寄付する人」を求めた動きなのかもしれません。「寄付」は新しい力を持ちつつあります。

寄付とSNS

 オンライン寄付の増加にSNSは大切な役割を果たしています。社会課題の解決に取り組む人がSNSで積極的に発信。社会課題を解決するためにはお金が必要だということを伝えます。そのプロセスを通じて情報の受け手は社会課題そのものを知ることになります。さらに寄付を受け取った組織(人)は、事業や活動状況を随時発信します。個人のSNSは大切なツールです。自分が寄付したお金がどのように使われているのかを知り、寄付した人はその事業や活動に共感します。継続した寄付には共感は必須。人は人に寄付をするのです。

伝えるノウハウを磨け

 「寄付」を資金調達とする組織は今でもほんの一部です。多くの中小企業にとって「寄付」なんて関係ないことかもしれません。それでも、「人は人に寄付をする」という構図は融資や助成金を受ける場面でも同じ。つながった人に「まめ」に事業や活動状況を伝えていくことは大切なお仕事と考え、そのノウハウを磨いていくことが必要でしょう。筆不精は自慢になりませんね。


NPO法人 ビジネスアシストこうべ