自分が60歳になって
私は、昨年60歳になりました。60歳になって思ったのは下記の2点です。
1つ目は、以前は自分自身も60歳はある程度年をとった年輩・初老の人間だと思っていましたが、いざ自分がなってみると全くそのような認識がないということです。(他人がどう思っているかは分かりませんが) まだまだ元気であり、老けこんだり、リタイヤーするような年齢ではないと思っています。ただし、年相応に、字が見えにくくなったりとか、運動神経が鈍くなり、自動車を運転していてヒヤットとしたりすることはありますが。
ちなみに調べてみると老人の定義は明確なものはありませんが、医療制度上は65歳からが前期高齢者です。
2つ目は、60歳になっても自分自身が成長・円熟したという実感がないということです。孔子の教えの中の一つに、60歳になると、耳順と言って 「人の言うことが良く分かるようになる」がありますが、いまだに良く分からないことが多々あります。
ちなみに孔子の言葉では、「50歳は天が自分に与えた使命が自覚できた」(まだ、できていません)であり、「40歳は、心に迷うことがなくなった」(迷うことばかりです) であり、「30歳は、学問の基礎ができ自立できるようになった」なので、そうなると自分の状態は、かなり甘く見積もっても30歳ではないかなと思っています。
【孔子の教え】
志学 15歳 15にして学問に志を立てた
而立 30歳 30にして、その基礎が出きて自立できるようになった
不惑 40歳 40にして心に惑うことがなくなった
知命 50歳 50にして、天が自分に与えた使命を自覚できた
耳順 60歳 60になると、人の言うことがなんでも理解できるようになった
70歳 70になると、自分のしたいと思うことをしても、人の道を踏みはずす
ことがなくなった
昔と比較すると年齢のイメージは大きく変わっています。歴史上の人物はかなりの割合で年下となっています。例えば、織田信長は47歳でなくなっており、晩年は年老いたイメージが強い豊臣秀吉は61歳で亡くなっています。マンガのサザエさんの父親の磯野波平は54歳の設定となっています。
自分の感覚や、周りの人の様子や、一般的に言われることを加味すると、昔と比較すると、
年齢は7〜8掛けぐらいがちょうど合うような気がします。
元気な60歳代
以前からシニアの時代・シニアブームと言われています。自分自身はシニアとも思っていませんが、確かに、自分より年上や同世代の人を見ると、60歳代は元気だと思います。2018年の平均寿命は、男性が81.25歳、女性が87.32歳です。そうなると60歳代はまだまだハナタレ小僧のようなものです。また、60歳代は、「お金」と「時間」と「体力」のバランスがとれている年代だと言われています。10代や20代のときは、時間と体力はありますがお金がない。30〜50歳代は、お金と体力があるが時間がない。70歳代以上は、時間とお金があるが体力がなくなってきます。そうなると、60歳代は仕事の責任も減り時間もある程度余裕もできるため、一番バランスがとれている時期ではないかと思います。(これはあくまでも一般論であり、例外は多々あると思います)
新しいことをするにしてもまだまだ十分な時間をかけて成し遂げることもできます。新しいことを覚えるのは少しづつ億劫にはなっていますが、「妻のトリセツ」等で有名な黒川伊保子さんの本によれば、脳科学上では、インプットのピークは10歳代ですが、アウトプットのピークは50歳後半と言われています。60歳代は過去のいろいろな蓄積やノウハウがあるため、まだまだいろいろなことをおこなうことが可能です。
ちなみに日本中を測量して地図を作製した伊能忠敬は、50歳から測量の勉強を開始し、日本中を歩いて測量し日本地図を完成させて72歳で生涯を終えています。
頑張ろう
60歳代は元気と書いてきましたが、自分の周りをみてみると、非常にアグレッシブな人もいれば、やる気がない人もおり、かなり個人差があります。それは60歳代だけではなく、70歳以上や50歳代以下も同じです。それにはいろいろな要因もあるとは思いますが、やはり心の持ち方が大きいのではないでしょうか。いくつになっても新しいことに挑戦したり、新しいことを吸収したりできる人は素晴しいと思います。私自身もなにか、新しいことに挑戦できればと思っています。
日本の経済や企業も成熟期を迎えています。また、高齢者が増加するとともに若い人が減少し、労働人口も減少しており、あまり明るいイメージはなく、元気がなくなっているような気がします。それを嘆いていてもしかたありません。今の日本の現状を生かした活動を行っていけばよいのではないでしょうか。 最近読んだ本で参考になった言葉が、「Do your best everday」(常にベストを尽くせ) です。自分なりに、悔いのないように頑張りましょう。