はじめに
生成AIの進化が凄まじい。その賢さを人と同じIQで表現するのは必ずしも適切とは思えないが、ある指標によれば現在130を超えるレベルにあるらしい。東京大学の入試問題をクリアすることができるだけでなく、人口の約2%程度、ギフテッドと呼ばれる天才のレベルにまで既に達しているそうだ。
生成AIの発展
生成AIは、毎日何か新しい発表があるがごとく発展を続けている。ChatGPTの登場以降、Claude、Gemini、Mistralなどの新しいモデルが次々と登場し、文章だけでなく画像やコードまで、当たり前のようにマルチモーダル処理が可能になっている。
企業がAIを業務に組み込む動きも加速していて、営業、企画、カスタマーサポートなど、あらゆる部署でAIが活用されるようになっている。業務効率を高めるだけでなく、意思決定の質的向上に貢献するようにもなってきている。しかしながら、国によって取り組む姿勢に差が生まれていて、日本ではまだ「試してみている段階」の企業が多いのが実態である。
AI活用事例
それでも、具体的に活用される事例は日々増えている。小売業では、SNSやPOSデータをAIが分析して、売れ筋商品のアイデアを自動で提案することが実用されていて、企画期間が10分の1に短縮されたという効果があるようだ。製造業でも、流体の流れをAIがカメラからの映像で解析し、職人技だった品質検査を自動化するなど、現場の人手不足の解消に大きく寄与している例もある。教育分野では、学力診断を一瞬で行い、それぞれの生徒のレベルに応じた学習提案をしてくれることが一般化されつつある。また、広告業界でも、CMのアイデアを出し、実際にテレビで利用された事例も生まれている。
AI活用の進化
また、最近のAIの活用では、業務の流れを判断しながら次の動作を決める所作のできる「AIエージェント」が登場していて、無人化される仕事が増加している。これにより、例えば営業のアポ取りから企業情報の分析、提案資料作成、メール送信までを人手を介さずに行うことができるようになっている。
さらに新しい「ディープシーク(DeepSeek)」という機能では、検索と生成を組み合わせてまるで熟練のコンサルタントのように情報を集めて整理し、分析を加えて答えを導き出してくる。調査から分析、提言まで、今までコンサルティングファームが多額の金額で請け負っていたような案件を30分程度で作り上げられるような事例が現れている。
インターネット以来の大変革
今もそうですが、これからますます仕事のありかたが大きく変わっていくはずです。今までは「人が機械に指示を出す」スタイルでしたが、これからは「機械(AI)が提案して、人が判断する」スタイルにシフトしていくことになる。人間は“行為する人”から“判断を下す人”へと役割が変わっていくことになる。
AIが仕事を横断的、効果的につなげてくれるようになり、組織の垣根を超えたコラボレーションが加速する。AI同士が情報をやり取りしながら業務を進化させていく、個人AI秘書が普及し、社長一人でも幅広い仕事を回せるようになる。そんな未来が想定できる。
このように、生成AIの登場は「インターネット以来の大変革」と言っても過言ではない。また、パソコンが職場に入り仕事の在り方が変わってきたときのように、私たちの仕事に対する姿勢が劇的に変わっていく、それほどのインパクトがある。
AIのよる業務の代替と人の活かし方
AIが業務をどんどん代替していくことで、「人がやる必要のない仕事」がこれからますます増えていく。つまり、「人が余剰となる」ことになる。これは企業にとっても社会にとってもかなり大きな課題になる。
余ってくる人材をどう活かすのか。再教育して新しい役割を担ってもらうのか、まったく別の分野に移ってもらうのか。そもそもAIに代替されない仕事の領域とは何なのか。「人の活かし方」がこれからの組織運営のカギになってくるはずで、社会全体で人材に対する考え方を根本から見直す必要が出てくることになるのではないか。
AIと働く未来
ここまで読むと「では、今の自分の仕事はどうなるのか?」と思った人がいるだろう。実際、AIによって仕事の中身も、働き方も、求められるスキルも変わることになる。「AIを使う人」と「AIに使われる人」、その分かれ道はどこにあり、「AIでは代替できないスキル」とは何なのかを考えて身に着けていくことが要求される。それは創造性なのか、共感力なのか、現場感覚なのか、少なくとも意思決定の責任を伴わないホワイトワーカーの仕事の多くはAIに取って代わられることになると思われる。だからこそ、今のうちにAIと向き合って、知見を深めて自分なりの使い方を見つけ、人間ならではの強みを磨くことが重要になる。
AIと働く未来は、もう始まっていて、「使おうとする企業や人」と「使わない企業や人」との差が、短期間で決定的に開く可能性がある。凄まじい発展を続けているAIだが、それでもまだこれからの世界を想像すればまだ黎明期にあるのかもしれない。今からでも十分にキャッチアップは可能、ぜひ積極的に取り組みましょう。