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SMECアイ−診断士の視点−ESSAY

科学軽視の風潮を憂う
                                     DAHDA


物価高対策について思うこと

 政治家は「物価高対策」が喫緊の課題であるかのように言い、マスコミもそれに同調している昨今です。保有する資産や収入が普通の生活を支えるには乏しかったり、働くことも困難な状態にある様な「真の生活困窮者」の支援・保護が必要であることには論を待ちませんが、物価高対策と称して出てくるのは、現金給付、クーポン券配布、減税等々であり、いずれも良く言って「貧困対策」、傍目には「選挙対策」にしか見えません。票を得るためのバラマキは日本の将来には負の影響が大きく、これを「緊急に必要な物価高対策」と言うのは、「誤解を生じた」、「真摯に受け止める」、「スピード感を持って」と言うのと同類に感じてしまいます。

円安−日本への評価の低下


 日本の場合、人口減少(少子化)に加えてアベノミクスの三本の矢が思ったようには行かなかったことにより国力(国際競争力)がますます衰え、その結果として、購買力上昇に伴う物価高(インフレ)ではなく、円安に誘導された物価高(インフレ)とそれによる生活困窮者の増加を生じています。物価高騰を抑えるためには「円」(つまりは「日本国」)に対する評価・信頼を上げる政策を打って円安状態を脱する必要があるでしょう。そのためには、生産性の低い事業者への支援をキッパリ打ち切って国の財政状況を立て直し、生産性を高めて儲かる事業形態への脱皮を民間に働きかけて、国内への投資を促進させる政策が必要です。

生産性を高めるためには

 実現する方法として、現役世代の優秀な専門家を集めて「農業も含めた全産業について生産性を高めて国内への投資を促進する施策」を検討し、その結果を政策に反映するのがよいと考えます。この際に重要なことは、出席者はやたらと多いが、実際は一部の評論家や学界の重鎮、利害関係者の意見に引きずられる儀式としての会議(○○審議会、○○諮問会議の類)ではなく、誰かに対しての忖度などは一切なしに将来を見据えた検討を行うことが出来る少数の専門家集団による会議で検討を行うことでしょう。但し、いずれの分野であっても、専門家であればあるほど「井の中の蛙」であるため、物事を一面的に深く考えることは出来ても、全体を俯瞰し、将来に亘っての最適解を見つけることは至難です。このため、検討テーマとは異なる分野の専門家(例えば哲学者とか歴史学者とか)も入ったメンバー構成にした上で、広い意味での科学的な考察に基づく多様な意見を闘わせて結論を導くようにすることも重要であると考えます。

科学軽視を憂う−教育への期待

 しかし、残念なことに最近の日本では、科学、その中でも利益に直接つながらない人文科学や基礎的な自然科学が軽視されていると感じられ、上記の様な会議の実現は困難かもしれません。日本の将来を考えるなら、時間をかけて幅広い教養を備えた国民を一人でも多く育て、衆愚政治に陥らないよう民主主義に磨きをかけながら、世界に伍していける技術を育てることが必要です。明るい将来を得るために、現在の「自分の利益に繋がらない科学を軽んじ、目の前の問題に正面から向き合おうとしない状況」を、若い世代は必ずや平和的に打破し、広い意味での科学を再び重視する時代が来ると信じたい今日この頃です。






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