新型コロナウイルス感染禍の中で苦境にあられるすべてのみなさまに心よりお見舞い申し上げます。昨年はご縁をいただいてそのような飲食業経営者のご支援をさせていただきました。今回はその中で感じたことを記します。
支援先と申請補助金
支援させていただいた企業様は今現在の厳しい中でもエネルギッシュに事業を展開されている飲食業と衣類販売業を営まれている経営者。しかし自らもマネジャーとして飲食業の店舗現場で陣頭指揮をされていることから、コロナ対応として国・公共団体から公開されている支援施策の名前などはご存じでしたが、ご自身はまだ手付かずの状況でいらっしゃいました。そんな中、ご縁をいただいて各種補助金の申請をお手伝いさせていただきました。具体的には、時系列で持続化補助金、神戸市内中小企業チャレンジ支援補助金、兵庫県休業要請事業者経営継続支援金、兵庫県中小企業事業再開支援金、家賃支援給付金、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金の数々です。
二つの学び
ご支援させていただく中で、特に二つのことを学ばせていただきました。一つは飲食業経営の片りんと激務、もう一つは補助金申請実務とその変化です。
飲食業経営の激務
まず実感したのが、現場マネジャー・プレイヤーとして働く飲食業の経営者が、それでなくとも忙しい合間に、関係書類を準備し、国・県・市とそれぞれに違う部署に申請をしていくのは本当に大変だなということです。
実際、補助金等の申請支援をさせていただく中でも、イベントや体調の関係で打ち合わせ日程の変更があったり、打ち合わせ中も合間に業務連絡をされたりと飲食業経営の激務を見聞させていただきました。また、申請に関する問い合わせ先を経営者ご本人のメールアドレスにしていたところ、ご本人が見落とされたり、メールの所在があやふやになったりしたこともあり、その後、問い合わせ先を私に変更したところ、スムーズに申請の確認ができるようになったりもしました。
そのほか従業員との関係性を維持するために、厳しく的確に指示を出される一方、メンバーの誕生日イベントなども行うなど、実際の行動と配慮に多くのことを学ばせていただきました。
補助金申請実務とその変化
これらの補助金等の申請にあたって必要な書類は大体共通して、確定申告書類、営業許可証、経営者の個人確認書類、銀行通帳、売上台帳、休業を証明する掲示ポスター、支出を証明する領収書などですが、申請書類の様式はそれぞれに異なり、また申請用紙のみの受付もあれば、WEB申請を併用されているものもありました。また2020中旬頃から2021年春の現在の変化でも、例えば、上記兵庫県の二つの支援金（休業要請事業者経営継続支援金、中小企業事業再開支援金）の申請は申請用紙のみだったのが、2021年の兵庫県の協力金（新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金）はWEB申請もできるようになっているなど、変化・進化を感じることができます。
申請業務をさせていただくこと自体が実務上の学びであり、WEBサイトにも設計者の意思と進化を感じることができました。例えば、国の最初の補助金（持続化補助金）では、とにかく早く支給することが必要であり、性善説のもと、申請（WEB貼付）書類も比較的簡素であり、申請後の修正要求もほとんどなく、スムーズに補助金が支給されました。ここに付け込まれて、競馬・競艇関係者ほかからの不正請求が後々に問題になったように感じられます。
その後の家賃支援給付金では、持続化補助金より貼付書類が厳格になり、貼付書類の重要確認箇所にはこちらからマーキングして提出する必要があるなど、運用が厳しく変化しました。賃貸契約書類に関しても、契約期間の自動延長条項があるにも関わらず、実際に今現在、契約が継続していることの確認のために家主の証明書類の貼付を追加で求められました。また、その他の修正要求項目の確認のためコールセンターにもたびたび連絡することとなり、今考えれば、当然ですが、コールセンターの担当者もおそらく急ごしらえの外部委託業者であり、その担当範囲のことだけしかわからず、一度電話がつながり要件を伝えてもすぐに回答が得られるわけではなく、折り返し、その担当者からの回答を待つといった状態が続きました。
これからのご支援
そのように色々手間取った補助金・支援金の申請業務でしたが、ちゃんと金額がふりこまれて、経営者の方から「振り込まれました。ありがとうございました。」と言ってもらえるとその苦労も報われるような喜びを得ることができました。
これからも、引き続きコロナ関係補助金申請業務に関わらず、経営者のご支援をさせていただきたいと考えています。